名古屋市・愛知県で陶磁器・古陶磁器(骨董品)が展示されている美術館や博物館をまとめました。
愛知県は六古窯と呼ばれる大規模の陶磁窯である瀬戸窯と常滑窯があり、岐阜の美濃窯も隣接していることもあり、陶磁器が多く残されている地域です。
尾張徳川家の伝来の美術品や、美術品だけでなく資料としても価値が高い品を見ることができます。
代表的な美術品もまとめておりますので、ぜひ参考にお出かけください。美術館デートにもおすすめです。
美術館は時期によって展示物が変わる他、臨時休業や営業時間の変更もございますので、公式ホームページを必ずご確認し訪館くださいませ。
その他地域、東京・大阪・京都・福岡の美術館もまとめております。
目次
愛知県陶磁美術館(あいちけんとうじびじゅつかん)
※現在リニューアル中。2025年4月1日(火)オープン予定
やきもののふるさとである、愛知県瀬戸市にある陶磁器を専門とした美術館です。
日本の陶磁器に強く、瀬戸や美濃で焼かれた陶磁器に絡めて、中国や朝鮮、インドなど多種多様な陶磁器が展示されています。
また、現代作家の作品も展示されることがあり、焼き物の歴史を勉強ができます。
企画展も多く開催されておりますので、一年間通して楽しめる美術館です。
愛知県陶磁美術館おすすめの美術品
猿投灰釉多口瓶(重要文化財)
猿投窯の初期灰釉陶器の代表作品であり、長頸瓶の肩に四個の注口をそなわった珍しい器形です。
自然な釉調である初期灰釉を楽しむことができます。
渥美灰釉芦鷺文三耳壺(重要文化財)
渥美半島には500基ほどの窯があったとされ、瀬戸窯、常滑窯につぐ大規模な窯業生産地でした。
1本のへラによりのびやかに図柄が描かれ、絵画的にも高く評価されています。
陶製五輪塔(重要文化財)
五輪塔形とした陶製容器で平安時代(久安二年)の刻銘の刻印がされています。
作者や製作年代・製作地が判明する数少ないの遺例の一つで、資料的にも大変貴重です。
住所:〒489-0965 愛知県瀬戸市南山口町234番地
最寄駅:地下鉄東山線終点「藤が丘駅」下車・リニモに乗り換え「陶磁資料館南」駅下車 徒歩10分、駐車場有
営業時間:9:30〜16:30
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
ホームページ:愛知県陶磁美術館
徳川美術館(とくがわびじゅつかん)
徳川美術館は愛知県名古屋市東区にある美術館で、陶磁器の他、刀剣や絵画など多種多様なものを見ることができます。
江戸時代の大名家・尾張徳川家の重宝「大名道具」を収蔵する専門の美術館で、徳川義親によって昭和6年(1931)に設立されました。
陶磁器は主に茶の湯に使用されていた茶碗が多く、天目茶碗や織部茶碗など書籍に登場するものが数多くございます。
歴史と絡めた企画展が多く開催されていますので、様々な時代の陶磁器を見ることができます。
徳川美術館おすすめの美術品
大名物 白天目(重要文化財)
徳川将軍家・尾張徳川家・加賀前田家に伝来した三碗のうちの一つです。武野紹鷗が所持し、孫の仲定から尾張徳川家初代義直に献上されたものです。室町時代に日本で作られた天目で釉溜まりはビードロ調をなしとても美しい作品です。
織部筒茶碗 銘 冬枯(重要文化財)
織部焼きのひとつである黒織部で、胴部の左半分は鉄釉に白抜きで文様が施され、残りの白地の部分には筆で抽象的な文様が描かれます。
織部焼きは江戸初期に大変流行し、大名の間でとても価値の高いものとされていました。
漢作茄子茶入 銘 茜屋
南宋時代に作られた茶入で、堺の茶人である茜屋が所持し、徳川家康に伝わった大名物の唐物茶入です。
丸い京茄子のような形から茄子茶入とも呼ばれました。『玩貨名物記』所載されています。
唐草文染付茶碗 銘 荒木
中国(唐物)で低い碗なりに乳白色の釉薬がかかり、全体に貫入が入ります。
見込みと外側にコバルトで唐草模様が施され、装飾となっています。
摂津國の荒木村重が所有し、千利休・徳川家康へと渡り、家康の遺産「駿府御分物」として尾張徳川家に伝来しました。
油滴天目
「星建盞」と称された茶碗です。中国・建窯産の油滴天目で碗の内外共に浮かぶ油滴斑が銀色に輝く星のようです。
日本にある代表的な油滴天目の一つで、書籍などでも頻繁に掲載がされております。東海地方で見れる数少ない油滴天目です。
住所:〒461-0023 名古屋市東区徳川町1017
最寄駅:JR中央線「大曽根駅」徒歩約10分、市バス基幹2系統 「徳川園新出来」徒歩約3分、駐車場有
営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
ホームページ:徳川美術館
名古屋市博物館(なごやしはくぶつかん)
愛知県名古屋市瑞穂区にある博物館です。博物館は陶磁器とは無縁に思えるかもしれないが、窯が多かった地域柄、近隣で焼かれた陶磁器が多く収蔵がされています。
黄瀬戸竹花入、織部角鉢、笹島焼草花文皿などの室町~江戸時代の陶磁器を見ることができます。
また、七宝である「百華文七宝大壷」「鳳凰文七宝香炉」などがあるのもこの地域ならではです。
名古屋市博物館おすすめ美術品
黒楽茶碗 銘「時雨」(需要文化財)
本阿弥光悦の手による、黒楽茶碗中屈指の名作です。
手づくねにより成形された半筒形の茶碗で、腰になだらかな丸みを持ち、黒く艶のある釉薬と素地を露出する部分の変化に深い味わいがあります。
三井家に伝来し、平瀬家、戸田家、尾州久田流宗匠・下村西行庵のもとを経て、森川勘一郎(如春庵)の愛憎品となったものです。
住所:〒467-0806 名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1
最寄駅:市営地下鉄「桜山駅」 徒歩5分
営業時間:9:30〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、第4火曜日(祝日を除く)、館内点検日、年末年始
ホームページ:名古屋市博物館
桑山美術館(くわやまびじゅつかん)
愛知県名古屋市昭和区にある美術館です。
初代館長である桑山清一が永年にわたって収集した絵画及び美術工芸品を鑑賞することができます。
鎌倉時代から現代にいたるまでの茶道具を収集しており、多くの茶道具を見ることができます。
青磁不遊鐶花入、古染付水指、金海洲浜茶碗などの茶道具が収蔵されています。
陶磁器に限らず、茶の湯で使用されていた竹の花入や棗などもございます。
住所:〒466-0828 名古屋市昭和区山中町2-12
最寄駅:市営地下鉄鶴舞線「川名駅」 徒歩8分
営業時間:10:00〜16:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、展示替期間(2~3月・7~8月・12月)
ホームページ:桑山美術館
横山美術館(よこやまびじゅつかん)
明治・大正時代に輸出された陶磁器の里帰りの品が中心に展示されています。
オールドノリタケ・隅田焼・眞葛焼・七宝焼などの愛知県周辺の陶磁器を見ることができます。
住所:〒461-0004 名古屋市東区葵一丁目1番21号
最寄駅:市営地下鉄東山線「新栄町駅」 徒歩4分、市営地下鉄桜通線「高岳駅」 徒歩4分
営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、夏期
ホームページ:横山美術館
瀬戸蔵ミュージアム(せとぐらみゅーじあむ)
愛知県瀬戸市にある、1600年前から続く瀬戸焼の歴史を知ることができる資料館です。
陶磁器だけでなく、どのように作られたか、そして瀬戸という街がどう発展していったかを学ぶことができます。
住所:〒489-0813 愛知県瀬戸市蔵所町1-1
最寄駅:名鉄瀬戸線「尾張瀬戸駅」徒歩5分、有料駐車場あり
営業時間:9:00〜17:00
休館日:月1回(第4月曜日)、年末年始
ホームページ:瀬戸市(瀬戸蔵ミュージアム)
常滑市民俗資料館(とこなめしみんぞくしりょうかん)
愛知県常滑市にある、今なお続く愛知県の大規模な窯業生産地である常滑焼の歴史を学べる資料館です。
平安時代の常滑焼を生産道具や製品だけでなく、映像や体験を通じて学ぶことができます。
住所:〒479-0821 常滑市瀬木町4-203
最寄駅:名鉄常滑線「常滑駅」下車・知多バス知多半田駅行き「奥栄町」徒歩7分、駐車場有
営業時間:9:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
ホームページ:常滑市(常滑市民俗資料館)
ノリタケミュージアム
愛知県名古屋市西区ノリタケの森内にある、ボーンチャイナで有名なノリタケの品を見ることのできる資料館と工場です。
ボーンチャイナがどのように作られているかを生地の製造から絵付までノリタケの技術を間近で見ることができます。
また、明治から昭和初期までに製造されたオールドノリタケも展示されています。
住所:〒451-8501 愛知県名古屋市西区則武新町3-1-36
最寄駅:市営地下鉄東山線「亀島駅」徒歩5分、各線「名古屋駅」徒歩15分
営業時間:10:00~17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
ホームページ:ノリタケの森
唐九郎記念館(とうくろうきねんかん)
愛知県名古屋市守山区にございます。桃山時代の織部、志野、黄瀬戸の復元に成功した加藤唐九郎の作品や研究資料が展示されています。
また、収集された桃山陶片も展示されています。
唐九郎の最高傑作といわれる「氷柱」や「紫匂い」を所蔵しており、 焼き物に少しでも関心のある者には必見の場所です。
住所:〒463-0010 愛知県名古屋市守山区小幡北山2758‐413
最寄駅:名鉄瀬戸線「大森・金城学院前駅」徒歩15分
営業時間:10:00~17:00
休館日:月・火・水・木(祝日は開館)、年末年始、展示換え
ホームページ:守山区(唐九郎記念館)
家で楽しみたいならオンライン美術館もおすすめ
陶磁器の美術品を家でも楽しみたい、遠くに住んでいるから行くのが難しい、そういった方には当オンライン美術館もおすすめです。
「陶磁オンライン美術館」は中国・日本・朝鮮半島などの東洋の古美術陶磁器を美麗な写真を掲載しております。
写真はさまざまな角度で撮影し、展示されている美術館では見ることのできない高台(底)までじっくりと鑑賞ができます。
これから美術館をめぐる事前の勉強にもなりますので是非ご覧くださいませ。
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