天目茶碗が見れる全国の美術館と種類のまとめ一覧

天目茶碗の美術品・古陶磁器を見ることのできる美術館や博物館をまとめました。
曜変天目、油滴天目、禾目天目、和物天目など、どの美術館にどの種類の天目茶碗があるのかもまとめております。
ページの最後に「天目種類別の美術館一覧」と「国宝・重要文化財の一覧」を掲載しておりますので、併せてご利用ください。
常設展示をしている美術館もあれば、企画展などでの期間を限定して展示している美術館もございますので、必ず展示内容をご確認の上ご訪館くださいませ。

↓天目茶碗についての基本の知識は下記の記事がおすすめですのでこちらも是非お読みください。↓

【東京】静嘉堂文庫美術館(せいかどうぶんこびじゅつかん)

静嘉堂文庫美術館東京都千代田区丸の内にある美術館で三菱財閥の第2代総帥の岩崎弥之助と第4代総帥の岩崎小弥太のコレクションを多く収蔵、公開しております。
日本に3点しかない国宝である曜変天目の内の一つを所有し、天目茶碗に興味がある方は必ず見ておきたい美術館の一つです。
また、重要文化財の油滴天目も所有しており、その違いを楽しむことができます。

静嘉堂文庫美術館の天目茶碗

曜変天目茶碗(国宝)

稲葉天目と呼ばれ、曜変天目の中でも最も知名度の高いものです。見込みの黒釉に浮かぶ虹彩は青色、薄紅色、白色などの結晶が輝きます。手のひらの宇宙とも呼ばれる姿は、人を魅力する不思議な魅力があります。

油滴天目(重要文化財)

天目形ではなく端反り形の珍しい形状の油滴天目で、見込みに銀色の大きめの斑紋が入ります。建窯特有の黒褐色の胎土が見られ、高台内に「新」の文字が掘られます。

住所:〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F
最寄駅:地下鉄千代田線「二重橋前駅」3番出口直結、JR「東京駅 丸の内南口」 徒歩5分
営業時間:10:00〜17:00(金曜日は10:00〜18:00)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:静嘉堂文庫美術館

【東京】東京国立博物館(とうきょうこくりつはくぶつかん)

東京国立博物館

東京都台東区上野公園にある日本最大の博物館で通称トーハクと呼ばれております。
国宝や重要文化財こそないものの、天目茶碗だけで10点以上の美術品があり、さまざまな種類を比べられるのは日本でもここだけです。
一部は常設で展示されておりますので、いつでも天目茶碗を見ることが可能です。

東京国立博物館の天目茶碗

灰被天目

鉄釉の上に灰釉を二重掛けしたもので、その姿が灰をかぶっているように見えることから灰被天目(はいかつぎてんもく)と呼ばれます。他の天目茶碗に比べ派手さはなく素朴であるが、それが日本の侘茶に叶うものとして大変珍重されました。

白覆輪天目

中国の金時代に華北の釜で焼かれたもので、建窯のものと姿が異なります。名前の通り口縁部に白い覆輪があり、黒釉とのコントラストがとても目がひきます。
黒釉を全体に掛けたのちに、口縁部の釉薬を削り取り、そこに白化粧をしたのちに透明釉を掛ける手の込んだ手法で作られております・

そのほかにも建盞(禾目天目)が2種油滴天目玳玻天目玳玻天目鸞天目玳玻天目 梅花天目木の葉天目灰被天目黒釉天目鼈甲釉天目などがございます。

住所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
最寄駅:JR「上野駅公園口」徒歩10分、JR「鶯谷駅南口」 徒歩10分
営業時間:9:30〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:東京国立博物館

【東京】根津美術館(ねづびじゅつかん)

根津美術館

東京都港区青山にある美術館で、茶人であった根津嘉一郎の所蔵した陶磁器の重要美術品などのコレクションが展示されます。
特に根津美術館の油滴天目は他の油滴天目とは違った特色がありファンの多い品です。

根津美術館の天目茶碗

油滴天目(重要美術品)

典型的な天目形の茶碗に内外全体に油滴斑が入ります。この斑紋はやや赤い色にも輝き、他の油滴天目ではなかなか見ることのない色調です。箱の裏蓋には「曜変」と小堀遠州による書付もあり、曜変天目という見方をされていた可能性がございます。

住所:〒107-0062 東京都港区南青山6丁目5−1
最寄駅:地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道駅」徒歩8分
営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:根津美術館

【東京】五島美術館(ごとうびじゅつかん)

五島美術館

東京都世田谷区上野毛にある美術館で日本・東洋を中心とした美術品を収蔵しております。
陶磁器の重要美術品は4点あり、天目茶碗にこそございませんが黒釉金彩文字天目は珍しく一見の価値がございます。

五島美術館の天目茶碗

黒釉兎毫斑鉢

建窯の製品で、黒釉の中に褐色の細い縦縞模様が浮かび、日本では禾目鉢とも言います。
天目茶碗は口径12~14程度であるのに対し、この品は端反りで口径20.5cmでのやや大ぶりで美術館ではなかなかお目にかかれません。

黒釉金彩文字天目「寿山福海」

灰褐色の素地に、漆黒色の鉄釉が全体にかかります。最大の特徴は見込みに「寿山福海」の文字が金彩で焼き付けられていることです。器面にしっとりと浮かぶ文字はいい意味で派手さがなく上品です。

木の葉文平茶碗

吉州窯製の茶碗で木の葉を茶碗の見込みに置き焼くことで、木の葉の模様を写します。葉脈が黄色ではっきりとし、形のいい木の葉が鮮やかに見えます。薄造りで高台が小さく吉州窯の特徴がよくわかる品です。

住所: 〒158-8510 東京都世田谷区上野毛3-9-25
最寄駅: 東急・大井町線「上野毛駅」徒歩5分
営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、夏期整備期間、展示替期間など
公式ホームページ:五島美術館

【東京】三井記念美術館(みついきねんびじゅつかん)

三井記念館東京都中央区日本橋室町にある美術館で旧財閥三井家の伝来品を収蔵展示しております。
陶磁器は国宝や重要文化財も多く収蔵し、天目茶碗としては重要文化財である「鸞天目茶碗」を見ることができます。

三井記念美術館の天目茶碗

鸞天目茶碗(重要文化財)

玳玻天目とも呼ばれ、鉄釉を施した茶碗に型を置き、その上から黄色の釉薬を振りかけることで模様を描きます。吉兆である鸞は伝説上の生き物で鳳凰に近い鳥であり、茶の湯の世界では鸞天目が第一としておりました。美術館で見られる数少ない玳玻天目です。

住所:〒103-0022 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井本館7階
最寄駅:東京メトロ銀座線「三越前駅」徒歩1分、都営浅草線「日本橋駅」徒歩6分
営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日、臨時休館あり
ホームページ:三井記念美術館

【東京】永青文庫(えいせいぶんこ)

永青文庫

東京都文京区目白台にある美術館で、旧熊本藩主細川家伝来の美術品や歴史資料、16代当主細川護立のコレクションを収蔵展示しています。
熊本県立美術館にも「永青文庫展示室」を設け、所蔵品の一部を入れ替えながら展示しております。
細川家が収蔵していた茶道具の天目茶碗が数点ございます。

永青文庫の天目茶碗

黄天目 珠光天目

侘茶の始祖・村田珠光が所持していたと伝わる名品で灰被天目の一種です。黒釉の下に中に黄色の釉薬が輝きます。

禾目天目

典型的な天目形ですが、漆黒の釉中に珍しい銀色の兎毫文うかびます。室町時代には「銀星盞」とも呼ばれていました。

そのほかにも油滴天目木葉天目がございます。

住所:〒112-0015 東京都文京区目白台1丁目1−1
最寄駅:都電荒川線「早稲田駅」徒歩10分、有楽町線「江戸川橋駅」徒歩15分、東西線「早稲田駅」徒歩15分
営業時間:10:00〜16:30
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:永青文庫

【長野】サンリツ服部美術館(さんりつはっとりびじゅつかん)

サンリツ服部美術館長野県諏訪市にある美術館で服部正次・服部一郎・サンリツ工業株式会社の収集品を収蔵展示しております。国宝の本阿弥光悦作「楽焼白片身変茶碗 銘不二山」を収蔵することで有名です。
天目茶碗としては玳玻天目の鼈甲盞が見れる数少ない美術館です。

サンリツ服部美術館の天目茶碗

鼈甲手天目茶碗(重要文化財)

吉州窯で焼かれた玳玻天目の一種で、鉄釉の上に灰釉を二重掛けし、斑模様を描きます。その模様は鼈甲のようです。吉州窯らしい薄造りで、腰部にはろくろ目が美しく残ります。

住所:〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り2丁目1−1
最寄駅:JR中央本線「上諏訪駅」徒歩15分、中央自動車道「諏訪インター」車で15分(駐車場有)
営業時間:9:30〜16:30
休館日:月曜日(祝日を除く)、年末年始、展示替期間、館内整理期間など
ホームページ:サンリツ服部美術館

【静岡】MOA美術館(えむおーえーびじゅつかん)

MOA美術館静岡県熱海市にある美術館で、創立者の岡田茂吉のコレクションを中心に収蔵しており国宝が3件ございます。メインロビーから初島や伊豆大島などの美しい大パノラマを眺望できます。

MOA美術館の天目茶碗

灰被天目茶碗 銘 秋葉

天目形の代表的な形で口縁部がくびれ外反りしている建盞に似た形だが、高台周りの切り回しの段や浅く丸く削り出された高台は建窯にはない特徴です。2重掛けした釉薬が灰を被ったような趣から灰被(はいかつぎ)と呼ばれます。

住所:〒413-8511 静岡県熱海市桃山町26-2
最寄駅:バス:JR熱海駅8番「MOA美術館行き」乗車「MOA美術館」下車すぐ、JR熱海駅タクシー乗り場より約5分、駐車場有
営業時間:9:00〜17:00
休館日:木曜日(祝日を除く)、展示替期間
ホームページ:MOA美術館

【愛知】徳川美術館(とくがわびじゅつかん)

徳川美術館愛知県名古屋市東区にある、江戸時代の大名家・尾張徳川家の重宝「大名道具」を収蔵する専門の美術館です。茶の湯に使用されていた茶碗が多く、様々な種類の天目茶碗を見ることができます。
また、和物天目である重要文化財の白天目があるのも他の美術館との違いです。

徳川美術館の天目茶碗

白天目(重要文化財)

大名物でもあり、徳川将軍家・尾張徳川家・加賀前田家に伝来した三碗のうちの一つです。織田信長が催した茶会でも用いられました。穏やかな形に口縁部には金の覆輪が、側面には清楚な白釉が施され、釉溜りは黄緑色のビードロ調を成します。
建窯の形式にとらわれない明るい釉薬を使用した和物天目ならではの美しさです。

油滴天目

中国・建窯で焼かれた油滴天目で細かく見込みに浮かぶ油滴斑の美しさから「星建盞」と称されました。油滴天目として有名な品で、書籍でも頻繁に掲載がされている品で、東海地方でほぼ唯一見れる油滴天目です。

灰被天目

大名物の灰被天目です。見込みと釉溜まりには黒釉の色が見られ、二重に掛けられた釉薬が腰の辺りで柿色に変化をします。山上宗二の茶道具の秘伝書「山上宗二記」に記載された天目のうち、唯一の現存作例です。

そのほかに建盞(禾目天目)黄天目がございます。

住所:〒461-0023 名古屋市東区徳川町1017
最寄駅:JR中央線「大曽根駅」徒歩約10分、市バス基幹2系統 「徳川園新出来」徒歩約3分、駐車場有
営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
ホームページ:徳川美術館

【滋賀】MIHO MUSEUM(みほみゅーじあむ)

MIHO MUSEUM滋賀県甲賀市信楽町田城にある博物館で、桃源郷をイメージされ作られた見事な美術館です。
耀変天目を有するほか、近年では龍光院の所有する曜変天目などが展示されたこともございます。

MIHO MUSEUMの天目茶碗

耀変天目(重要文化財)

窯変現象による独特の輝きを持つ斑紋が見込みを中心に現れます。斑紋はそれぞれが独立しピンク色や緑色に美しく発色します。
加賀・前田家(前田利常)に伝来する品です。国宝の曜変天目とは違いますが、4つ目の曜変天目とも評される品です。

住所:〒529-1814 滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300
最寄駅:車で新名神高速「信楽IC」より約15分(駐車場有)、JR石山駅より帝産バス「ミホミュージアム」行ご乗車約50分
営業時間:10:00〜17:00
休館日:春季・夏季・秋季開館期間中の月曜日(祝日の場合は翌平日)、展示替期間
ホームページ:MIHO MUSEUM

【京都】承天閣美術館(じょうてんかくびじゅつかん)

承天閣美術館京都府京都市上京区の相国寺にある美術館で、相国寺および金閣寺、銀閣寺などが所有する文化財を収蔵しております。
玳玻天目として唯一の国宝である「玳玻散花文天目茶碗」を見ることができます。

承天閣美術館の天目茶碗

玳玻散花文天目茶碗(国宝)

玳玻天目は黒釉を施した上に梅花形の型を置き、上から灰釉を二重がけすることで見込みに梅花を描きます。通称、梅花天目とも呼ばれており玳玻天目としては代表的な模様ですが、模様が特に鮮明であり、国宝にふさわしい精巧さです。

黄瀬戸珠光天目茶碗

天目形の器形に黄瀬戸の淡い黄色の釉薬がかかります。口縁に銀の覆輪がかかり、黄瀬戸の柔らかい釉薬ときっちりとした天目形が対比となり建窯の天目にはない和物としての美しさがあります。

そのほかに白釉天目がございます。

住所:〒602-0898 京都市上京区今出川通烏丸東入 相国寺内
最寄駅:地下鉄烏丸線「今出川駅」徒歩8分
営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:承天閣美術館

【京都】大徳寺龍光院(だいとくじりょうこういん)

大徳寺龍光院京都府京都市北区にある寺院で国宝の「曜変天目」の3つのうちの1つを所有している唯一の寺院です。
しかし、拝観謝絶の寺院であり、美術品は非公開で特別公開の類も行っていないため、龍光院の天目茶碗などの美術品は他の美術館に特別展示がされるときしか見ることができません。

大徳寺龍光院の天目茶碗

曜変天目(国宝)

日本に3つしかない国宝の「曜変天目」のうちの1つです。安土桃山時代を代表する茶人であった津田宗及が所持し、後に龍光院へ伝わりました。曜変天目の中でも一番侘びた雰囲気で、小さめの銀色の斑紋が無数に輝き、その周りに青、紫、緑、黄色の光彩が生じます。3碗の中でなかなか見ることができず、近年では2019年に展示がされました。

油滴天目(重要文化財)

喫茶用の天目としては小ぶりで背が低いく丸みを帯びた器形です。建窯ではなく金時代の北方のものと考えられ、黒釉は薄く大きな美しい油滴斑が浮かびます。津田宗及より龍光院に伝わったものと言われます。

※大徳寺龍光院の所蔵する美術品に関しては他の美術館での展示となり寺院での展示はございません。
住所:〒603-8231 京都府京都市北区紫野大徳寺町14
最寄駅:地下鉄「北大路」徒歩15分

【京都】京都国立博物館(きょうとこくりつはくぶつかん)

京都国立博物館京都府京都市東山区にある博物館で、平安時代から江戸時代にかけての京都の文化財を収集・研究・公開をしております。
京都の茶湯文化により天目茶碗も所蔵されており、美しい重要文化財の玳玻天目と2種の形の禾目天目を見ることができます。

京都国立博物館の天目茶碗

玳玻天目鸞文碗(重要文化財)

玳玻釉飛鳥折枝文碗とも呼ばれます。加賀前田家屈指の名碗であり、小さな高台にゆったりと広がった吉州窯を代表する器形です。黒釉を施したのち、見込みに型を置き上から灰釉を掛けることで尾長鳥風な飛鳥文と小花をつけた折枝分が描かれます。灰釉は溶けて黄色、青、赤が混ざり合い美しい釉調です。

黒釉兎毫斑碗

京都国立博物館には代表的な2種の黒釉兎毫斑碗(禾目天目)があり、いわゆる天目形で口縁部の下で一段くびれます。禾目模様も細く綺麗で禾目天目を知る上で最もわかりやすい一品です。

黒釉兎毫斑碗

京都国立博物館には代表的な2種の黒釉兎毫斑碗(禾目天目)があり、こちらは撇口碗(へっこうわん)と言われる口縁が強くソルタイプです。禾目模様は細かいものと太く強いものの2種類が入ります。

住所:〒605-0931 京都市東山区茶屋町527
最寄駅:JR京都駅下車、D2のりばから市バス206・208号系統にて「博物館三十三間堂前」下車徒歩すぐ
営業時間:9:30〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:京都国立博物館

【大阪】藤田美術館(ふじたびじゅつかん)

藤田美術館大阪府大阪市都島区にある美術館で、実業家の藤田伝三郎とその子である藤田平太郎、藤田徳次郎の収集した美術品の収蔵と展示をおこなっております。
日本に3点しかない国宝の「曜変天目」のうちの一つを所蔵していることで有名です。
藤田美術館の曜変天目は常設ではないものの展示がされている機会が多いので、曜変天目を見たいと思った場合にはまず訪れることをお勧めします。

藤田美術館の天目茶碗

曜変天目(国宝)

国宝である三碗の曜変天目のうちの一つで、唯一外面にも曜変の斑紋が現れています。
見込みは縁取りをされた青に輝く丸い斑紋が所狭しと並び、オーロラのような青い帯状の輝きはまるで夜空の景色のように美しいです。水戸徳川家に伝来した品です。

白縁油滴天目鉢(重要文化財)

金王朝・華北の磁州窯系の窯で焼かれ、建盞を模して作られた茶碗です。白い土で作られ高台付近に鉄釉を塗り建窯に似せる技法が用いられております。見込みと外側に花のような結晶の油滴が現れます。口縁部の白縁は黒釉を削ぎ白化粧がされたものです。

菊花天目(重要文化財)

日本での天目茶碗の需要の増加により、国内の美濃・瀬戸で生産をされた和物の天目です。
建盞に似ていますが、建窯や磁州窯などのさまざまな技術が混ざり合った独自の形をなします。
鉄釉の上から灰釉を施し、流れた黄色みを帯びた釉薬が菊花のような景色となっています。

住所:〒534-0026 大阪市都島区網島町10番32号
最寄駅:JR東西線「大阪城北詰駅」徒歩1分、京阪電鉄「京橋駅片町口」徒歩10分、大阪メトロ長堀鶴見緑地線「京橋駅」徒歩7分
営業時間:10:00〜18:00
休館日:年末年始など
ホームページ:藤田美術館

【大阪】東洋陶磁美術館(とうようとうじびじゅつかん)

大阪市東洋陶磁美術館大阪府大阪市北区にある東洋陶磁器を専門とした美術館です。
陶磁器のみで4000点以上の収蔵数を誇る日本最大規模の陶磁美術館になります。
油滴天目で唯一の国宝を所蔵する美術館であり、そのほかにも重要文化財である木葉天目を見ることができます。

東洋陶磁美術館の天目茶碗

油滴天目(国宝)

南宋時代に建窯で作られ、豊臣秀次、西本願寺、三井家を経て若狭酒井家に伝来した由緒正しき品です。水に散る油滴のような美しさから君台観左右帳記にて第二とされ大変珍重されました。
力強い作行きで、黒釉の中に青と銀色の油滴の結晶が大変見事に輝きます。

木葉天目(重要文化財)

吉州窯で作られた木葉天目であり、胎土が白く土が綿密であるため、薄造りで小さな高台が特徴的です。見込みには本物の木の葉を焼き付け、葉脈まではっきりと見ることができる木の葉天目として最高傑作として名高い品です。模様に用いられた桑の葉は禅に通じるものであったと言われます。加賀前田家に伝来したものです。

※2024年春まで休館中
住所:〒530-0005 大阪市北区中之島1-1-26
最寄駅:京阪中之島線「なにわ橋駅」すぐ、地下鉄御堂筋線・京阪本線「淀屋橋駅」徒歩5分、地下鉄堺筋線・京阪本線「北浜駅」徒歩5分
営業時間:9:30〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:大阪市立東洋陶磁美術館

【岡山】林原美術館(はやしばらびじゅつかん)

林原美術館岡山県岡山市北区にある美術館で、実業家の林原一郎の古美術コレクションを中心に展示がされています。
林原コレクションの他には岡山藩主・池だけの伝来品も収蔵されます。

林原美術館の天目茶碗

禾目天目

禾目天目(建盞)の中でも艶のある黒釉に細く美しく兎毫斑が見事です。堆朱唐花文台が添います。

住所:〒700-0823 岡山市北区丸の内2-7-15
最寄駅:JR「岡山駅」徒歩25分、市内電車 東山行「県庁通」徒歩7分など
営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替期間
ホームページ:林原美術館

【福岡】九州国立博物館(きゅうしゅうこくりつはくぶつかん)

九州国立博物館福岡県太宰府市石坂にある国立の博物館で、「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える博物館」という理念のもとさまざまな展示されています。
天目茶碗としては江戸時代を代表する武将であり茶人であった古田織部が所有していたとされる油滴天目を見ることができます。
大阪の東洋陶磁美術館や東京国立博物館の陶磁器を展示される機会も多く、様々な天目茶碗を見ることができます。

九州国立博物館の天目茶碗

油滴天目(重要文化財)

古田織部が所有していた油滴天目で、松平不昧などに伝わり文化庁から九州国立博物館が所蔵されました。厚い黒釉が施され、高台まで釉薬が長く垂れていることが特徴です。青色の油滴文が細かく輝きます。

住所:〒818-0118 福岡県太宰府市石坂4-7-2
最寄駅:西鉄「太宰府駅」徒歩10分、駐車場有
営業時間:9:30〜20:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末
ホームページ:九州国立博物館

種類別美術館一覧

天目の種類別にまとめておりますので、是非ご参考ください。美術館の名前をクリックすると詳細へ移動します。

曜変天目茶碗

静嘉堂文庫美術館(東京)藤田美術館(大阪)大徳寺龍光院(京都)

油滴天目

静嘉堂文庫美術館(東京)東京国立博物館(東京)根津美術館(東京)MIHO MUSEUM(滋賀)徳川美術館(愛知)大徳寺龍光院(京都)藤田美術館(大阪)東洋陶磁美術館(大阪)九州国立博物館(福岡)

禾目天目(兎毫盞・建盞)

東京国立博物館(東京)五島美術館(東京)永青文庫(東京)徳川美術館(愛知)京都国立博物館(京都)林原美術館(岡山)

灰被天目

静嘉堂文庫美術館(東京)東京国立博物館(東京)MOA美術館(静岡)徳川美術館(愛知

玳玻天目(梅花天目・鸞天目)

東京国立博物館(東京)三井記念美術館(東京)サンリツ服部美術館(長野)承天閣美術館(京都)京都国立博物館(京都)

木葉天目

東京国立博物館(東京)五島美術館(東京)永青文庫(東京)東洋陶磁美術館(大阪)

和物天目(白天目・黄天目・菊花天目など)

永青文庫(東京)徳川美術館(愛知)承天閣美術館(京都)藤田美術館(大阪)

国宝・重要文化財の一覧

天目茶碗を国宝・重要文化財で分けております。特に価値の高い天目茶碗ですので、是非足をお運びください。

国宝

・曜変天目茶碗:【東京】静嘉堂文庫美術館
・曜変天目:【京都】大徳寺龍光院
・曜変天目:【大阪】藤田美術館
・玳玻散花文天目茶碗:【京都】承天閣美術館
・油滴天目:【大阪】東洋陶磁美術館

重要文化財

・油滴天目:【東京】静嘉堂文庫美術館
・玳玻天目 鸞天目茶碗:【三井】三井記念美術館
・玳玻天目:【長野】サンリツ服部美術館
・白天目:【愛知】徳川美術館
・耀変天目:【滋賀】MIHO MUSEUM
・油滴天目:【京都】大徳寺龍光院
・玳玻釉飛鳥折枝文碗:【京都】京都国立博物館
・白縁油滴天目:【大阪】藤田美術館
・菊花天目:【大阪】藤田美術館
・木葉天目:【大阪】東洋陶磁美術館
・油滴天目:【福岡】九州国立博物館

天目茶碗の予習にオンライン美術館をご覧ください

天目茶碗の一覧

天目茶碗を実際に見に行く前に当美術館で予習もおすすめです。
代表的な天目である禾目天目、油滴天目から菊花天目といった和物天目まで数多くの天目茶碗を掲載しております。
また、どの美術館にもない「毫変盞(ごうへんさん)」も掲載しております。
写真はさまざまな角度で撮影し、展示されている美術館では見ることのできない高台(底)までじっくりと鑑賞ができます。
これから美術館をめぐる事前の勉強として知っておくと何倍も楽しむことができますよにもなりますので是非ご覧くださいませ。

伊山大策

伊山大策

名古屋ビジュアルアーツ写真学科在学中より瀬戸焼の陶芸作品撮影を続ける。11年前に愛知の古美術研究にて陶磁器の知識を学ぶ。写真スタジオに3年勤務したのち、広告やWEBサイトの制作を手掛けその経験を活かし、古陶磁美術品の良さを広めるために当サイトを開設いたしました。

オンライン美術館公式骨董店燦禾

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