邢州窯は唐時代に白磁を盛んに生産した窯として有名で唐代七名窯の一つと数えられます。邢窯(けいよう)とも呼ばれます。
定窯(ていよう)と並び今ある白磁の礎と言っても過言ではありあせん。
白磁の黎明期を飾った邢州窯について特徴や歴史を解説いたします。
邢州窯(けいしゅうよう)とは
邢州窯は中国の河北省邢州内邱県近郊にあったとされる窯およびその磁器のことですが、窯址は不明でした。
しかし近年になり、内邱県の隣の臨城県に多数の唐白磁窯址が見つかり、邢州窯の実体がようやく明らかになってきています。
白磁が名高く、柔らかい色の雪のような釉色が特色です。
その磁器は端渓の硯とともに天下に行きわたっていると言われ、同時期の越州窯(えっしゅうよう)の青磁とならび称されました。
邢州窯の歴史
邢州窯の歴史はまだ不明な点が多く、開窯や閉窯について詳細はわかりません。
邢州窯白磁の主な制作時期は唐代の後期で、五代の頃には衰退したと考えられています。
邢州窯の陶磁器の特徴
邢州窯の白磁は柔らかくやや黄色みがかかった乳白色が特徴です。
濁りやくすみが無く、唐時代の陸羽による茶に関する文献である「茶経」では、その透き通るような幻想的な白さを雪に例えて称賛するほどの美しさでした。
邢州窯の白磁は、鉄分の少ない薄い褐色の土に半透性の白い釉薬を掛けたものと、薄い褐色の土に白化粧をし透明釉をかけたものがございます。
器形は茶碗が多く、他には水注や壺などがあり、装飾が少なめなものが主流で装飾がされたものは希少です。
当館の邢州窯の陶磁器
白磁獅子手水注
乳白色の白く柔らかい釉薬で白土で化粧を施した後に透明釉を施したものと考えられます。
釉薬の施されていない内側や底は触るとざらざらとしております。
口から肩にかけて獅子の形の持ち手が備えられ、手と足を長く伸ばししがみついている様子がとても愛らしいです。
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