中国の宋代に作られた陶磁器の中でも最高峰とされる「曜変天目」。宇宙を思わせる美しい斑紋が特徴で、今の技術でも完全に再現することは難しいといわれています。現存する3碗は日本で保管されています。

曜変天目の特徴と魅力について

黄金の信長像

歴史的価値のある陶磁器の中でも、よく知られているものに「曜変天目」があります。足利義政や徳川家康など、時の権力者たちを魅了してきた曜変天目は、現在でも多くの人々を魅了し続けています。

こちらでは、そんな曜変天目についてご紹介いたします。

曜変天目とは?どういった魅力がある?

曜変天目とは、天目茶碗と称される茶道具の一種です。中国・南宋時代に作られた黒釉茶碗の中でも表面に斑文が散り、その一つひとつが宝石のような光彩を宿したものです。日本に伝来したのは室町時代とされており、もっとも貴重で高価な茶碗とされていました。

表面に浮かび上がる大小の瑠璃色の斑紋は角度によって玉虫色の光彩が生まれ、その斑紋が星のように見えることから「天の川」「宇宙」などと例えられます。この斑点は、計算してデザインされたものではありません。当時の建窯では一回に10万個もの茶碗が焼かれており、その中でも僅かしか生産されていないのが曜変天目です。焼成を行う過程において、何らかの条件が重なったことで大小の斑点がランダムに浮かび上がり、その周りを虹色の光彩が取り巻く幻想的な斑紋が形成されたといわれています。どういった偶然が重なったのかは最大の謎とされ、現在まで多くの陶芸家や研究者があらゆる技法を用いて再現・研究を行っています。

曜変天目の希少性とは

曜変天目が貴重な作品とされているのは、製作過程で生まれた偶然の産物だからというだけではありません。当時多くの天目茶碗を製作していた建窯があった中国の浙江省杭州市内では、陶磁器の破片が大量に出土しています。その中に曜変天目の残器もあったものの、完全体のものはまだ見つかっていません。このことから、どれほど希少であるかがわかるでしょう。

現在、完全な姿の曜変天目は世界で3碗しか残っておらず、その3碗はすべて日本にあり、国宝に指定されています。

曜変天目は中国ではどう使われていた?

これだけ数が少ないとなると、中国では曜変天目はどのような位置づけだったのか、どう使われていたのか気になるものです。

実は正確なことはまだわかっていません。研究者の中には、曜変天目の斑紋を天災の兆しであると感じて製作後に意図的に破壊し、破壊を逃れた僅かな茶碗のみが日本に渡ったのではないかという方もいます。

しかし、南宋の首都・杭州にあった宮廷の迎賓館跡地で曜変天目の破片が大量に出土していることから、貴族が使う最高級品の茶碗とされていたという説が有力になりつつあります。

貴重な陶磁器を数多く公開する陶磁オンライン美術館

禾目天目(兎毫盞)

曜変天目とは、中国・南宋時代に福建省の建窯という窯で焼かれた天目茶碗の一つです。宇宙を思わせる瑠璃色の美しい斑紋が特徴で、神秘の茶碗といわれています。

現存しているのは日本の国宝に指定されている3碗のみです。しかし桃山時代には10碗存在し、その一つは熱心な茶器コレクターであった織田信長が所有していたとされることから、まだ見つかっていない曜変天目が日本のどこかにある可能性は否定できないでしょう。

陶磁オンライン美術館では、4つ目の曜変天目とされる可能性を持つ茶碗を公開しています。この茶碗には、中国の建窯において焼成された「毫変盞」である可能性も秘めています。陶磁オンライン美術館では様々な角度から撮影した10枚以上の写真を掲載していますので、ぜひ隅々まで作品をご鑑賞ください。特徴的な釉薬や模様の茶碗も、拡大した写真で見ることができます。

ほかにも和物茶碗、中国青磁、白磁など、中国・日本を中心とした700年代から1500年代の古美術品を公開しています。最大掲載数10000点を目指して随時公開していますので、数ある美術品の中からあなた好みの作品を見つけていただけると幸いです。

中国の陶磁器(天目茶碗)に興味があるなら陶磁オンライン美術館

会社名 合同会社TOUJI GRAPHICA
サイト名 陶磁オンライン美術館ーTOUJI GRAPHICA VIRTUAL MUSEUMー
代表 伊山大策
住所 〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3丁目15−22 丸の内USビル602
URL https://touji-gvm.com/

TOP
HOME CONTACT Instagram SHOP