日本全国で陶磁器の美術品が鑑賞できる美術館や博物館をまとめました。
陶磁器専門の博物館から、専門でなくても収蔵数の多い美術館まで紹介いたします。
広く扱っているところから、陶磁器の産地の近くには専門の美術館があります。
それぞれの美術館で特色があり、取り扱っている陶磁器の地域の違いなども解説いたします。
各地にございますので、ご旅行や出張の際にも立ち寄ってみてください。
陶磁器の勉強や鑑定に是非お役立てください。
ほとんどが常設展示をしている美術館ですが、内容が変わる美術館もございますので、必ず展示内容をご確認の上ご訪館くださいませ。
なお、国宝が見られる美術館は別にまとめてありますので、そちらの記事も併せてご覧ください。
目次
【東京】東京国立博物館

東京都台東区上野公園にある日本最大規模の博物館で通称トーハクと呼ばれます。
この博物館は陶磁器だけでなく、絵画や書画、刀剣、彫刻などを収蔵している総合的な博物館です。
しかし、陶磁器だけでも多くの美術品が収蔵・展示しており、日本で最も広く陶磁器を見ることができます。
常設の展示数も行われており、本館では京焼や伊万里焼、信楽などの日本陶磁が見れます。
東洋館では中国、朝鮮半島、タイなどの東南アジア、インドの陶磁器文化を学ぶことができます。
鑑賞できる主な陶磁器
日本:土器・京焼・伊万里・信楽・瀬戸・備前・美濃・伊賀・薩摩など、江戸時代の作家ものもあり
中国:天目茶碗・青磁・白磁・青花(染付)・三彩・五彩磁器・粉彩磁器など
朝鮮半島:高麗青磁・粉青沙器・李朝白磁・青花など
東南アジア:タイの宋胡録・クメール褐釉陶器・三彩など
住所:〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F
最寄駅:地下鉄千代田線「二重橋前駅」3番出口直結、JR「東京駅 丸の内南口」 徒歩5分
営業時間:10:00〜17:00(金曜日は10:00〜18:00)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:静嘉堂文庫美術館
【東京】戸栗美術館

東京都渋谷区松濤にあり、創設者である戸栗亨が収集してきた陶磁器を保存するために設立された美術館です。
伊万里、鍋島などの肥前磁器や中国・朝鮮などの陶磁器など約7000点が保存されています。
日本でも数少ない陶磁器専門の美術館で、肥前磁器は質と量を兼ね備え、江戸時代を歴史を知ることができます。
また、伊万里焼や鍋島焼の陶片を見ることもできます。
年4回の企画展も全てが陶磁器に関わることなので1年中楽しむことができる良い美術館です。
鑑賞できる主な陶磁器
日本:江戸時代の伊万里・鍋島・古九谷などの肥前磁器など
中国:唐三彩・青磁・元青花・五彩磁器・粉彩磁器など
朝鮮半島:高麗青磁・粉青沙器・李朝白磁など
住所:〒150-0046 東京都渋谷区松濤1-11-3
最寄駅:各線「渋谷駅」ハチ公口 徒歩15分、京王井の頭線「神泉駅」徒歩10分
営業時間:10:00〜17:00(金土は20時まで開館)
休館日:月・火曜日、年末年始、展示替期間など
公式ホームページ:戸栗美術館
【愛知】愛知県陶磁美術館
日本の陶磁器の代表的な産地である愛知県瀬戸市にある陶磁器を専門とした美術館です。
周辺の産地である瀬戸や美濃で焼かれた陶磁器を中心とした日本陶磁、中国や朝鮮、インドなど多種多様な陶磁器が展示されています。その収蔵数は約8800点です。
常設展だけでも約500点の陶磁器が鑑賞でき、展示のされ方もテーマに沿って歴史を学べるよう工夫がされております。
底が見えるよう展示したり、同種の品を裏面にし横に並べたりと学ばせてくれる工夫がされています。
他にも特に注目すべきは、周辺の窯の瀬戸や美濃の資料が豊富にあり、発掘された陶片などが惜しげもなく並べられており、陶磁器の研究に役立つこと間違いなしです。
鑑賞できる主な陶磁器
日本:猿投窯・瀬戸窯・美濃窯・織部焼・常滑焼・備前焼・鍋島焼・土器・須恵器など
中国:唐三彩・青花(染付)・青磁・白磁・青白磁など
朝鮮半島:高麗青磁・粉青沙器・白磁など
その他:東南アジア、西アジア、中南米、ヨーロッパなどの陶磁器
住所:〒489-0965 愛知県瀬戸市南山口町234番地
最寄駅:地下鉄東山線終点「藤が丘駅」下車・リニモに乗り換え「陶磁資料館南」駅下車 徒歩10分、駐車場有
営業時間:9:30〜16:30(夏季は17:00まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
ホームページ:愛知県陶磁美術館
【岐阜】多治見美濃焼ミュージアム
岐阜県多治見市にある美濃焼を中心としたミュージアムです。
志野、織部、瀬戸黒や黄瀬戸といった桃山陶や幻の西浦焼などの美濃焼1300年の歴史や、人間国宝をはじめとした美濃の陶芸作家の作品を見ることができます。
美濃窯は桃山時代の陶磁器に大きな影響を及ぼし、様々な種類の陶磁器が作られた地です。
今でも人気の高い志野、織部、瀬戸黒や黄瀬戸を研究、勉強されたい方は絶対に行っておいた方がいいミュージアムです。
鑑賞できる主な陶磁器
日本:志野・織部・瀬戸黒・黄瀬戸・西浦焼・美濃窯で焼かれたやきもの(須恵器・灰釉陶器・山茶碗)など
住所:〒507-0801 岐阜県多治見市東町1-9-27
最寄駅:JR多治見駅北口よりききょうバスで約18分「美濃焼ミュージアム」下車(土・日・祝日のみ)、駐車場有
営業時間:9:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
ホームページ:多治見美濃焼ミュージアム
【石川】石川県立美術館

石川県金沢市にあり、陶磁器は古九谷焼を中心とし、加賀藩ゆかりの古美術や近代工芸品を見ることができます。
色絵の磁器が特に多く、江戸時代を代表する古九谷焼や京焼の作家の作家物もあり、
野々村仁清氏の国宝「色絵雉香炉(仁清作)」もございます。
他にも「玳玻天目の鼈甲盞」が見れる数少ない美術館です。
「石川県文化財保存修復工房」お併設され、実際の修復作業を常時見学できます。
写真提供:石川県観光連盟
鑑賞できる主な陶磁器
日本:古九谷焼・九谷焼・京焼・江戸時代の作家作品など
中国:明代から清代の色絵磁器・青磁など
住所:〒920-0963 石川県金沢市出羽町2-1
最寄駅: 金沢駅東口から「広坂・21世紀美術館(石浦神社前)」下車、徒歩約5分。周辺駐車場有。
営業時間:9:30~18:00
休館日:年末年始、展示替えのため臨時休館あり
ホームページ:石川県立美術館
【京都】樂美術館(らくびじゅつかん)
京都市上京区にある樂焼窯元・樂家に隣接している美術館です。
樂歴代作品の樂焼を中心に茶道工芸美術品、関係古文書など樂家に伝わった作品を中心に収蔵・展示をしてます。
450年の永きにわたって、樂家歴代が次代の参考になるよう手本として残してきた伝統を垣間見ることができる美術館です。
鑑賞できる主な陶磁器
日本:樂焼窯元、樂家の品
住所:〒602-0923 京都市上京区油小路通一条下る
最寄駅:京都市バス「堀川中立売・一条戻橋」徒歩3分、地下鉄丸線「今出川駅」6番出口より徒歩13分
営業時間:10:00〜16:30
休館日:月曜日(祝日を除く)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:樂美術館
【京都】古田織部美術館
京都市北区にある美術館で、茶人であった古田織部に関する茶道具やゆかりの品が展示されています。
古田織部は陶磁器の製作にも携わり織部焼などを生み出しました。
前衛的・刺激的な作品は「織部好み」と言われ爆発的な流行を見せたほどです。
織部焼をはじめ、志野焼や本阿弥光悦の茶陶などを見ることができます。
鑑賞できる主な陶磁器
日本:織部焼・志野焼・京焼など
住所:〒603-8054 京都府京都市北区上賀茂桜井町107-2 B1
最寄駅:地下鉄「北山駅」徒歩3分
営業時間:9:30〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:古田織部美術館
【大阪】大阪市立東洋陶磁美術館
大阪市北区にある東洋の陶磁器の専門の美術館です。
世界的に有名な「安宅コレクション」があり、中国・朝鮮半島の陶磁を中心に日本陶磁を加えた東洋陶磁を展示します。
国宝2件、国の重要文化財13件を含む約4000点が収蔵されており、特に青磁の数は圧巻です。
陶磁器が最も美しく見れるとされる自然光展示室を作るなど見せ方にも工夫がされています。
中国を中心とした東洋の陶磁器の歴史の流れを感じられ勉強のできる素晴らしい美術館です。
鑑賞できる主な陶磁器
日本:鍋島焼など
中国:唐三彩・青磁・宋磁(龍泉窯・越州窯・南宋官窯・鈞窯・定窯)・景徳鎮・白磁・青白磁・五彩磁器・粉彩磁器など
朝鮮半島:高麗青磁・粉青沙器・李朝白磁・青花など
その他:西アジアの土器
住所:〒530-0005 大阪市北区中之島1-1-26
最寄駅:京阪中之島線「なにわ橋駅」すぐ、地下鉄御堂筋線・京阪本線「淀屋橋駅」徒歩5分、地下鉄堺筋線・京阪本線「北浜駅」徒歩5分
営業時間:9:30〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:大阪市立東洋陶磁美術館
【兵庫】兵庫陶芸美術館
兵庫県丹波篠山市にある古陶磁と現代陶芸の展示をする美術館です。
兵庫県陶芸館からの寄贈および購入による陶磁器901件が中心となっており、丹波焼および兵庫県内の陶磁器のコレクションが収蔵されます。
丹波焼をはじめ三田焼、東山焼、出石焼、珉平焼といった兵庫県内で作られたやきものを中心に見ることができます。
鑑賞できる主な陶磁器
日本:丹波焼・三田焼・東山焼・出石焼・珉平焼
その他:日本国内外の近現代陶芸作品
住所:〒669-2135 兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4
最寄駅:JR福知山線「相野」駅より、路線バス(ウイング神姫)乗車「兵庫陶芸美術館」「こんだ薬師温泉」で下車。
営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、メンテナンス期間
ホームページ:兵庫陶芸美術館
【福岡】九州国立博物館
福岡県太宰府市石坂にある国立博物館です。通称「九博」として親しまれています。
九州がアジア文化交流の窓口であった歴史的な背景を踏まえ「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える博物館」という理念のもと展示されています。
総合的な博物館のため、絵画や書画、刀剣、彫刻なども収蔵していますが陶磁器も豊富です。
九州の代表的な伊万里や有田、薩摩や唐津などの陶磁器や、交易でもたらされた中国の陶磁器が展示されます。
鑑賞できる主な陶磁器
日本:伊万里・鍋島・古九谷・薩摩・唐津・高取・奈良三彩・猿投窯・織部焼など
中国:青磁・白磁・天目茶碗・景徳鎮・三彩など
朝鮮半島:青磁
住所:〒818-0118 福岡県太宰府市石坂4-7-2
最寄駅:西鉄「太宰府駅」徒歩10分、駐車場有
営業時間:9:30〜20:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末
ホームページ:九州国立博物館
【福岡】福岡東洋陶磁美術館
福岡県福岡市城南区には福岡大学があり、文教地区の一角にこの美術館はございます。
福岡大学の創立者である溝口梅太郎氏の「福岡学術文化の大いなる発展」への思いを継ぎ、ご子息である溝口虎彦氏により設立されました。
茶の湯に造詣の深い館長が約半世紀をかけて収集・愛蔵してきた中国・朝鮮・日本の貴重な鑑賞用陶磁、茶陶を鑑賞することができます。
鑑賞できる主な陶磁器
日本:古九谷・伊万里・鍋島焼・瀬戸茶入など
中国:唐加彩・景徳鎮染付・五彩など
朝鮮半島:高麗青磁・白磁・高麗茶碗など
住所:〒814-0133 福岡市城南区七隈8丁目7-42
最寄駅:J地下鉄七隈線「七隈線」徒歩1分
営業時間:10:00〜17:00
休館日:日曜日、祝祭日(敬老の日・文化の日は除く)、展示替期間(1・2月/7・8月)
ホームページ:福岡東洋陶磁美術館
家で研究・勉強をするならオンライン美術館もおすすめ

陶磁器の美術品を家でも楽しみたい、ゆっくりと勉強をしたい、遠くに住んでいるから行くのが難しい、そういった方には当オンライン美術館もおすすめです。
「陶磁オンライン美術館」では美術館に負けない品をいくつも掲載しております。
写真はさまざまな角度で撮影し、展示されている美術館では見ることのできない高台(底)までじっくりと鑑賞ができます。
ダウンロードも可能ですの陶磁器の勉強はもちろん、鑑定のための情報としてお役立てください。
これから美術館をめぐる事前の勉強にもなりますので是非ご覧くださいませ。




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