【骨董品陶磁器】鑑定と査定の違いについて解説

骨董品の世界では「鑑定」と「査定」という言葉をよく耳にします。
中には鑑定と査定を混同し、全く同じものと認識している人も多くいます。
しかし実際には鑑定と査定は全く違うものです。
「鑑定」と「査定」の違い、また「鑑定価格」と「査定価格」の違いを解説をさせていただきます。
また、気軽に鑑定が行えるオンライン鑑定もご紹介します。

骨董品の「鑑定」と「査定」をわかりやすく言うと

鑑定とは

品物がいつどこで作られたか・本物か贋作か・購入する際の市場価値(鑑定価格)
主にこういったことを明らかにする行為です。

査定とは

品物がいつどこで作られたか・本物か贋作か・市場価値をもとに買取業者が買取する価格(査定価格)
これを明らかにする事です。

 

「鑑定価格」と「査定価格」の違い

前述の通り「査定価格」とは市場価値をもとに買取業者が買取する価格となります。
例えばある品が100万円という鑑定価格を出したとしても、それをお店に買取に持って行っても100万円で買い取ってくれるわけではございません。
最大の価値である100万円で買い取ってはお店は利益を出せないので、実際にはその内の何割かで買い取ることとなります。これが査定価格です。

もちろん、個人間で譲る場合には100万円でいいのですが、その相手を探すのはとても困難です。
販売する相手探す手間を代わりにしてくれるのが買取店ですので手数料みたいなものと考えてください。
テレビ番組などで「鑑定価格〇〇〇万円!」などと言われ、「高額だったら売却して旅行に行きます」なんてやり取りがありますが、実際にはその鑑定価格で売却ができることはほとんどありません。

鑑定をさらに詳しく解説

骨董品の鑑定は、正体や価値が不明瞭なものに対し、鑑定士が価値や正体を明らかにする行為です。
その行為は査定よりもより細かく例えば以下のことを鑑定します。
・真贋・国・時代・窯(地域)・名称・釉薬・解説

鑑定方法はそれぞれの鑑定士の秘技でございますが、「土」「釉の色」「形」「状態」などから鑑定します。
「鑑定価格」という項目は必ずしも鑑定の内容に入っているわけではなく、鑑定士により異なります。

これは鑑定の指標をその品の真贋や正体に重きを置いているか、価値に置いているかによります。
買取などを行っている骨董店の鑑定は鑑定価格を出してくれるところもございますが、研究者や陶芸家による鑑定は価格を出さないことが多いです。

テレビ番組などでで鑑定価格を出すのはエンターテイメント的にわかりやすくすいというのもありますね。

鑑定価格のばらつき

骨董品の鑑定価格を鑑定に含まない理由はもう一つございます。
1つは鑑定価格=市場価格が骨董品を扱う業者によって統一されていないという点です。

陶磁器の骨董品は製品でありながら、他の工業製品ほど品が統一されていないという特性を持ちます。

例えば高級品として扱われ、腕時計などは製品として規格がはっきり統一されており、製造数や元々の販売価格などが意外と明瞭になっております。
また、古くとも100年程度前のものとなります。

それに対し陶磁器の骨董品は大量生産されたものですが、規格はある程度あるが形や絵など手作業でばらつきがあり、窯で焼くという性質上、縮みや色のばらつきがある程度あっても許容がされます。
また、陶磁器の生産の記録は細かく残さないという体制もございます。
そして、陶磁器は古いものでは1000年を超えてきます。

こういった点から陶磁器の鑑定は「全く同じもの」というよりも「よく似たもの」と比較して鑑定をするケースがほとんどです。(※ただし、近代や現代の作家物の陶磁器は除きます。)
そのため、工業製品に比べて鑑定価格(市場価格)の情報が統一されていないのですね。

その他にも買取店の販路の違いによって鑑定価格が変わるケースもございます。

査定をさらに詳しく解説

骨董品の査定でもある程度の骨董品の正体を教えてくれますが、あくまで「査定価格(買取価格)」を決定する作業となります。
国・時代・窯くらいは知ることはできると思います。
しかし、鑑定をすることが仕事ではないので、不明なものを明瞭にすることに時間を掛けることはございません。
そのため、鑑定に比べて陶磁器の正体が分からないという結果になる割合は多く感じます。
分からない品については安い金額で査定し

査定価格は先ほどの市場価格(鑑定価格)からお店の利益等を加味して決定されます。
査定価格が鑑定価格を上回ることは基本的にございません。

鑑定と査定のどちらがおすすめ?

・骨董品の正体を知りたいなら「鑑定」

・骨董品を売りたいなら「査定」

基本的にはこの考え方でいいと思います。
鑑定をしてくれるサービスの探し方は少し難しいのでこちらの記事をご参考ください。

買取店の査定をお探しの場合は検索エンジンで「骨董品 査定」と検索されると業者がいくつか出てきます。

当美術館のオンライン鑑定もご利用ください

当オンライン美術館では写真と寸法を送るだけで骨董品陶磁器の鑑定ができるサービスを行っております。
名称・国・時代・窯(地域)・真贋・釉薬・解説・参考美術品の鑑定が可能となっています。

料金は2000円と低価格で、骨董屋までの移動費や発送費と変わらない程度で行うことができます。
また、家にいながらできるので割れ物を運ぶ不安もございません。
インターネットで自分で調べたけど分からなかった、骨董品の正体を知りたい方はぜひご利用ください。
売るつもりがないのに査定するのは気が引けると言う方にもおすすめです。

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骨董品陶磁器オンライン鑑定

伊山大策

伊山大策

名古屋ビジュアルアーツ写真学科在学中より瀬戸焼の陶芸作品撮影を続ける。11年前に愛知の古美術研究にて陶磁器の知識を学ぶ。写真スタジオに3年勤務したのち、広告やWEBサイトの制作を手掛けその経験を活かし、古陶磁美術品の良さを広めるために当サイトを開設いたしました。

骨董品陶磁器オンライン鑑定
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