陶磁器の国宝が見れる美術館・博物館と種類のまとめ一覧

陶磁器・古陶磁の国宝が見ることのできる全国の美術館や博物館をまとめました。
日本の陶磁器5件、国外から日本に伝わった陶磁器9点の14点の国宝全ての美術館の所在地なども網羅しております。
国宝についての簡単な説明もいたしますますので、ぜひお出かけに研究にご利用くださいませ。ある程度地域順にご紹介させていただきます。
常設展示をしている美術館もあれば、企画展などでの期間を限定して展示している美術館もございますので、必ず展示内容をご確認の上ご訪館くださいませ。

陶磁器の国宝の一覧

まず、陶磁器の国宝の一覧を国ごとにご紹介します。
日本の国宝指定されている陶磁器は14個指定されており、国宝全体を見ても少ない貴重なものです。
これは陶磁器が割れ物であることからあまり残らなかったことや、他の工芸品位比べて作家が重要視されていた無かったことによると考えらます。
大変少ないですが、ある意味ではすべて見ることが大変ではないというメリットもあります。

おもしろいのは半分以上が中国の南宋時代から元の品であり、多くは伝来し続け名のある武将や実業家の手に渡っています。
あとは朝鮮半島から唯一1点ございます。
日本の陶磁器は5件あり、多くは近世の品になり、内3点は陶工の名前のある品になります。
工芸品の中でも日本の品より中国の品の方が多いのも陶磁器の伝来の歴史を考えると納得です。

日本 秋草文壺 渥美窯 慶應義塾
志野茶碗「卯花墻」 美濃窯 三井記念美術館
色絵藤花文茶壺 野々村仁清 MOA美術館
色絵雉香炉 野々村仁清 石川県立美術館
白楽茶碗 銘 不二山 本阿弥光悦 サンリツ服部美術館
中国 曜変天目(稲葉天目) 建窯 静嘉堂文庫美術館
曜変天目茶碗 建窯 藤田美術館
曜変天目茶碗 建窯 大徳寺龍光院
油滴天目茶碗 建窯 大阪市立東洋陶磁美術館
玳玻天目茶碗 吉州窯 相国寺
青磁下蕪花生 龍泉窯 アルカンシエール美術財団
青磁 鳳凰耳花生 銘「万声」 龍泉窯 和泉市久保惣記念美術館
飛青磁花生 龍泉窯 大阪市立東洋陶磁美術館
朝鮮 井戸茶碗「銘 喜左衛門」 孤篷庵

※陶磁器名をクリックで美術館の紹介に移動します。

 

静嘉堂文庫美術館(東京)

見れる国宝:曜変天目(稲葉天目)

静嘉堂文庫美術館

東京都千代田区丸の内にある美術館で三菱財閥の第2代総帥の岩崎弥之助と第4代総帥の岩崎小弥太のコレクションを多く収蔵、公開しております。
国宝である曜変天目の中でも一番有名である曜変天目茶碗「稲葉天目」を所有し、まず一度は訪れていただきたい美術館の一つです。
他にも、重要文化財の油滴天目も所有しているので、天目のその違いを楽しむことができます。

曜変天目(稲葉天目)/ようへんてんもく いなばてんもく

「手のひらの宇宙」とも称され、国宝の中でも一番有名な品です。
稲葉天目と呼ばれ、曜変天目の中でも最も知名度の高いものです。見込みの黒釉に浮かぶ虹彩は青色、薄紅色、白色などの結晶が輝き、不思議な魅力があります。

住所:〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F
最寄駅:地下鉄千代田線「二重橋前駅」3番出口直結、JR「東京駅 丸の内南口」 徒歩5分
営業時間:10:00〜17:00(金曜日は10:00〜18:00)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:静嘉堂文庫美術館

 

三井記念美術館(東京)

見れる国宝:志野茶碗「卯花墻」

三井記念館東京都中央区日本橋室町にある美術館で旧財閥三井家の伝来品を収蔵展示しております。
国宝や重要文化財も多く収蔵し、志野茶碗唯一の国宝「卯花墻」や重要文化財である「鸞天目茶碗」を見ることができます。

志野茶碗「卯花墻」/しのちゃわん うのはながき

江戸の冬木家より明治20年ごろに室町三井家に伝わりました。国焼き(日本)の陶磁器の数少ない国宝であるうちの一つです。国宝として日本茶碗は本阿弥光悦の白楽茶碗(銘不二山)とこの卯花墻しかございません。美濃の牟田洞窯で焼かれており、志野茶碗らしく歪んだ器形と大胆な鉄絵が魅力的です。

住所:〒103-0022 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井本館7階
最寄駅:東京メトロ銀座線「三越前駅」徒歩1分、都営浅草線「日本橋駅」徒歩6分
営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日、臨時休館あり
ホームページ:三井記念美術館

東京国立博物館(東京)

見れる国宝:青磁下蕪花生(寄託)・秋草文壺(寄託)

東京国立博物館

東京都台東区上野公園にある日本最大の博物館で通称トーハクと呼ばれております。
中国・朝鮮・日本の古陶磁が常に展示されており、多くの陶磁器を学ぶことができます。
天目茶碗の他、青磁や染付など、さまざまな種類を比べられるのは日本でもここだけです。
国宝は後述のアルカンシェール美術財団より寄託された「青磁下蕪花生」、慶應義塾から寄託された「秋草文壺」を見ることができます。

青磁下蕪花生/せいじかぶらはないけ(寄託)

国宝に指定されている3点の青磁のうち一つ。下部が丸く膨らみ、円筒形の長い首、小さく広がった口を備える。この形は「下蕪(かぶら)」と呼ばれます。南宋時代に焼かれたもので、灰白色の磁質の土に淡い青磁釉が掛けられ、貫入のない滑らかな美しい肌を見せます。

秋草文壺/あきくさもんつぼ(寄託)

日本の国宝の中で一番古い品で、平安時代の渥美焼とされます。半磁質の土に肩から淡いオリーブ色の自然釉が厚く掛かり、胴まで線条に流下します。胴に芒文三株、肩には瓜、芒、柳を頸部に芒、蜻蛉などを鮮やかに線刻した珍しい壺です。

住所:〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
最寄駅:JR「上野駅公園口」徒歩10分、JR「鶯谷駅南口」 徒歩10分
営業時間:9:30〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:東京国立博物館

原美術館ARC(群馬)

見れる国宝:青磁下蕪花生

アルカンシェール美術財団が運営する美術館で群馬県渋川市にございます。
前述の青磁下蕪花生はこのアルカンシェール美術財団が所有するものであり、基本的には東京国立博物館に寄託されておりますが、こちらの原美術館ARCで展示されることもございます。
緑豊かな土地に作られ、通常は現代美術を中心に国内外の作品を見ることができます。

青磁下蕪花生/せいじかぶらはないけ

国宝に指定されている3点の青磁のうち一つ。下部が丸く膨らみ、円筒形の長い首、小さく広がった口を備える。この形は「下蕪(かぶら)」と呼ばれます。南宋時代に焼かれたもので、灰白色の磁質の土に淡い青磁釉が掛けられ、貫入のない滑らかな美しい肌を見せます。

住所:〒377-0027 群馬県渋川市金井 2855-1
最寄駅:JR上越線/吾妻線「渋川駅」よりバスにて約15分、「グリーン牧場前」下車、徒歩7分。駐車場有。
営業時間:9:30〜16:30
休館日:木曜日(祝日と8月を除く)、展示替え期間、1月1日、冬季
ホームページ:原美術館ARC

MOA美術館(静岡)

見れる国宝:色絵藤花文茶壺

MOA美術館MOA美術館は静岡県熱海市にある美術館で岡田茂吉氏の収集した品を見ることができます。
陶磁器の国宝「色絵藤花文茶壺(仁清作)」他3件所蔵し、その他にも多くの重要文化財がございます。
他に陶磁器としては「灰被天目」も収蔵されます。
茶の湯と関連深い尾形光琳の屏風の国宝「紅白梅図屏風」も収蔵されています。

色絵藤花文茶壺/いろえふじはなもんちゃつぼ

江戸時代の陶工の野々村仁清の品です。仁清は近代的な意味で「作家」として認識された最初期の陶工ともされます。巧みな轆轤技術と華麗な上絵付けが特徴です。温かみのある白釉磁の植木に鮮やかな藤花が巧みな構図で描かれた品で仁清の最高傑作とされます。

住所:〒413-8511 静岡県熱海市桃山町26-2
最寄駅:バス:JR熱海駅8番「MOA美術館行き」乗車「MOA美術館」下車すぐ、JR熱海駅タクシー乗り場より約5分、駐車場有
営業時間:9:00〜17:00
休館日:木曜日(祝日を除く)、展示替期間
ホームページ:MOA美術館

サンリツ服部美術館(長野)

見れる国宝:白楽茶碗 銘 不二山 光悦作

サンリツ服部美術館長野県諏訪市にあり、服部一郎と株式会社サンリツが収集致しました茶道具などを収蔵します。
楽焼唯一の国宝である「不二山」を中心に長次郎など江戸時代の日本の茶碗を多く収蔵します。
他にも重要文化財である「玳皮盞天目」を収蔵します。

白楽茶碗 銘 不二山 光悦作/いろらくぢゃわん めい ふじさん

楽焼の茶碗で、江戸時代の数寄者である本阿弥光悦の作。釉薬を用いたものを白楽と呼び、茶碗の下半分が炭化して黒色に変色し、独特の景色を作ります。この姿から不二山と銘がつけられたとされます。楽焼白片身変茶碗ともいいます。

住所:〒392-0027 長野県諏訪市湖岸通り2丁目1−1
最寄駅:JR中央本線「上諏訪駅」徒歩15分、中央自動車道「諏訪インター」車で15分(駐車場有)
営業時間:9:30〜16:30
休館日:月曜日(祝日を除く)、年末年始、展示替期間、館内整理期間など
ホームページ:サンリツ服部美術館

石川県立美術館(石川)

見れる国宝:色絵雉香炉(仁清作)

石川県立美術館石川県金沢市にあり、国宝「色絵雉香炉(仁清作)」の他、古九谷焼や加賀藩ゆかりの古美術、近代工芸品を見ることができます。
他にも「玳玻天目の鼈甲盞」が見れる数少ない美術館です。
「石川県文化財保存修復工房」お併設され、実際の修復作業を常時見学できます。
写真提供:石川県観光連盟

色絵雉香炉(仁清作)/いろえきじこうろ

江戸時代の陶工の野々村仁清の品。ほぼ等身大の雉の形の香炉で、とてもリアルにできております。全体に緑、紺、青、赤などの絵具と金彩により羽毛や顔などを丁寧に豪華に作られます。

住所:〒920-0963 石川県金沢市出羽町2-1
最寄駅: 金沢駅東口から「広坂・21世紀美術館(石浦神社前)」下車、徒歩約5分。周辺駐車場有。
営業時間:9:30~18:00
休館日:年末年始、展示替えのため臨時休館あり
ホームページ:サンリツ服部美術館

大徳寺・龍光院(京都)

所有する国宝:曜変天目茶碗

大徳寺龍光院※大徳寺龍光で国宝を見ることはできません。
京都府京都市北区にある寺院で国宝の「曜変天目」の3つのうちの1つを所有している唯一の寺院です。
しかし、拝観謝絶の寺院であり、美術品は非公開のため、龍光院で曜変天目を見ることはできません。
龍光院の天目茶碗は京都国立博物館など他の美術館に特別展示がされる際に見ることができます。

曜変天目茶碗/ようへんてんもくちゃわん

日本に3つの国宝の「曜変天目」のうちの1つです。安土桃山時代を代表する茶人であった津田宗及が所持し、後に龍光院へ伝わりました。曜変天目の中でも一番侘びた雰囲気がみりょくてきであり、控えめの銀色の斑紋が無数に輝き、その周りに青、紫、緑、黄色の光彩が生じます。3碗の中でなかなか見ることができず、近年では2019年に展示がされました。

※大徳寺龍光院の所蔵する美術品に関しては他の美術館での展示となり寺院での展示はございません。
住所:〒603-8231 京都府京都市北区紫野大徳寺町14
最寄駅:地下鉄「北大路」徒歩15分

大徳寺・孤篷庵(京都)

所有する国宝:井戸茶碗「銘 喜左衛門」

※孤篷庵で国宝を見ることはできません。
京都市北区にある臨済宗の寺院で、臨済宗大徳寺派大本山大徳寺の塔頭となります。
建造物の一部は重要文化財となっており、美しい寺院や庭園を見ることができます。
しかし、孤篷庵において井戸茶碗「銘 喜左衛門」を見ることはできず、公開は京都国立博物館を中心に他の美術館で行われています。

井戸茶碗「銘 喜左衛門」/いどぢゃわん めい きさえもん

高麗茶碗の中でも代表的な井戸茶碗であり、中でも大ぶりな「大井戸」に分類されます。大阪の町人の竹田喜左衛門が所持しおり喜左衛門井戸とよばれ、また本多能登守忠義に献じたことから本多井戸とも呼ばれます。全体に井戸茶碗らしい荒い貫入があり、見事な琵琶色の釉、分厚い口作り、張った胴、しっかりとした高台で、堂々とした井戸茶碗です。

※大徳寺・孤篷庵の所蔵する美術品に関しては他の美術館での展示となり寺院での展示はございません。
住所:〒603-8231 京都府京都市北区紫野大徳寺町66
最寄駅:地下鉄「北大路」徒歩25分

相国寺・承天閣美術館(京都)

見れる国宝:玳玻天目茶碗

承天閣美術館京都府京都市上京区の相国寺にある美術館で、相国寺および金閣寺、銀閣寺などが所有する文化財を収蔵しております。
玳玻天目として唯一の国宝である「玳玻散花文天目茶碗」を見ることができます。他にも「黄瀬戸珠光天目茶碗」が収蔵されます。

玳玻天目茶碗/たいひへんもくちゃわん

玳玻天目は黒釉を施した上に梅花形の型を置き、上から灰釉を二重がけすることで見込みに梅花を描きます。通称、梅花天目とも呼ばれており玳玻天目としては代表的な模様ですが、模様が特に鮮明であり、国宝にふさわしい精巧さです。玳玻散花文天目茶碗ともいいます。

住所:〒602-0898 京都市上京区今出川通烏丸東入 相国寺内
最寄駅:地下鉄烏丸線「今出川駅」徒歩8分
営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:承天閣美術館

京都国立博物館(京都)

見られる国宝:曜変天目茶碗・井戸茶碗「銘 喜左衛門」(共に特別展示)

京都国立博物館京都府京都市東山区にある博物館で、平安時代から江戸時代にかけての京都の文化財を収集・研究・公開をしております。
京都国立博物館自体には陶磁器の国宝はございませんが京都の寺院などが所有する国宝が展示されることがあり、井戸茶碗「銘 喜左衛門」、龍光院の天目茶碗などを展示することがございます。

住所:〒605-0931 京都市東山区茶屋町527
最寄駅:JR京都駅下車、D2のりばから市バス206・208号系統にて「博物館三十三間堂前」下車徒歩すぐ
営業時間:9:30〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休館)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:京都国立博物館

藤田美術館(大阪)

見れる国宝:曜変天目茶碗

藤田美術館大阪府大阪市都島区にある美術館で、実業家の藤田伝三郎とその子である藤田平太郎、藤田徳次郎の収集した美術品の収蔵と展示を見ることができます。
日本に3点ある国宝の「曜変天目」のうちの一つを所蔵しており、藤田美術館では展示頻度も高く見れる機会他多くございます。
曜変天目を見たいと考えられている方は藤田美術館がおすすめです。

曜変天目茶碗/ようへんてんもくちゃわん

国宝である三碗の曜変天目のうちの一つで、水戸徳川家に伝来した品です。
唯一外面にも曜変の斑紋が現れており、見込みは縁取りをされた青に輝く丸い斑紋が所狭しと並び、オーロラのような青い帯状の輝きはまるで夜空の景色のように美しいです。

住所:〒534-0026 大阪市都島区網島町10番32号
最寄駅:JR東西線「大阪城北詰駅」徒歩1分、京阪電鉄「京橋駅片町口」徒歩10分、大阪メトロ長堀鶴見緑地線「京橋駅」徒歩7分
営業時間:10:00〜18:00
休館日:年末年始など
ホームページ:藤田美術館

大阪市立東洋陶磁美術館(大阪)

見れる国宝:油滴天目茶碗・飛青磁花生

大阪市東洋陶磁美術館大阪府大阪市北区にある東洋陶磁器を専門とした美術館です。
中国・朝鮮・日本を中心とした陶磁が4000点以上の収蔵された日本最大規模の陶磁美術館になります。
リニューアルオープンにより様々な環境での展示が楽しめます。
油滴天目と飛青磁花生と中国を代表する陶磁器の国宝を見ることができ、唯一二つ以上の国宝の陶磁器を所有している美術館となります。

油滴天目茶碗/ゆてきてんもくちゃわん

南宋時代に建窯で作られ、豊臣秀次、西本願寺、三井家を経て若狭酒井家に伝来した由緒正しき品です。水に散る油滴のような美しさから君台観左右帳記にて第二とされ大変珍重されました。
力強い作行きで、黒釉の中に青と銀色の油滴の結晶が大変見事に輝きます。

飛青磁花生/とびせいじはないけ

青磁釉上に鉄斑を散らし模様を描きます。
この技法は現存する青磁の中では珍しく、日本では「飛青磁」と呼ばれ、茶人らに珍重されていました。
鴻池家伝来品であり、類品はイギリスのヴィクトリア&アルバート美術館とスイスのバウアー・コレクションなどに見ら海外でも評価されております。

住所:〒530-0005 大阪市北区中之島1-1-26
最寄駅:京阪中之島線「なにわ橋駅」すぐ、地下鉄御堂筋線・京阪本線「淀屋橋駅」徒歩5分、地下鉄堺筋線・京阪本線「北浜駅」徒歩5分
営業時間:9:30〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替期間など
ホームページ:大阪市立東洋陶磁美術館

和泉市久保惣記念美術館(大阪)

見れる国宝:青磁鳳凰耳花生 銘「万声」

大阪府和泉市にある美術館で青磁を中心とし多くの中国の美術品が収蔵されます。
常設として中国の工芸品があり、青銅器も多く展示されているため、青銅器から陶磁器への関係性なども学ぶことが可能です。
数少ない青磁の国宝である青磁鳳凰耳花生とても見応えのある品です。

青磁鳳凰耳花生 銘「万声」/せいじ ほうおうみみはないけ めいばんせい

龍泉窯の青磁は寺院や茶器として賞賛され、この鳳凰耳花生の形は龍泉窯を代表する品です。
南宋時代の龍泉窯らしいやわらかい艶のある淡い青緑色の釉薬がかかります。
「万声」の銘は江戸時代に後西天皇によって名付けられ、徳川家光、東福門院、毘沙門堂に伝来した品です。

住所:〒594-1156 大阪府和泉市内田町三丁目6番12号
最寄駅:JR 阪和線「和泉府中駅」で下車し南海バス「美術館前」他、無料駐車場あり
営業時間:10:00〜17:00
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、陳列替期間など
ホームページ:和泉市久保惣記念美術館

家で楽しみたいならオンライン美術館もおすすめ

陶磁オンライン美術館

陶磁器の美術品を家でも楽しみたい、遠くに住んでいるから行くのが難しい、そういった方には当オンライン美術館もおすすめです。
「陶磁オンライン美術館」では国宝に負けない品をいくつも掲載しております。
写真はさまざまな角度で撮影し、展示されている美術館では見ることのできない高台(底)までじっくりと鑑賞ができます。
これから美術館をめぐる事前の勉強にもなりますので是非ご覧くださいませ。

伊山大策

伊山大策

名古屋ビジュアルアーツ写真学科在学中より瀬戸焼の陶芸作品撮影を続ける。11年前に愛知の古美術研究にて陶磁器の知識を学ぶ。写真スタジオに3年勤務したのち、広告やWEBサイトの制作を手掛けその経験を活かし、古陶磁美術品の良さを広めるために当サイトを開設いたしました。

骨董品陶磁器オンライン鑑定
オンライン美術館公式骨董店燦禾

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