歴史的価値のある陶磁器は様々ありますが、よく知られているものに「天目茶碗」があります。中でも、曜変天目・油滴天目・禾目天目が有名です。古美術を楽しむなら陶磁オンライン美術館をご利用ください。

天目茶碗の基礎知識や製作技法

玳玻天目 鸞天目

歴史的に価値のある貴重な陶磁器の一つに「天目茶碗」があります。日本には世界に3碗のみ現存する「曜変天目」がすべてあり、国宝に指定されていることから、天目茶碗という言葉自体は聞いたことがあるという方は多くいらっしゃるでしょう。

こちらでは天目茶碗の魅力を再認識するために、天目茶碗とはなにか、特徴、建窯と吉州窯についてご紹介いたします。

天目茶碗とは

天目茶碗とは、「天目釉」と称される黒色または褐色の鉄釉をかけて焼かれた陶磁器のことです。南宋時代(12~13世紀頃)に建窯(けんよう)を中心に作られ、現在の浙江省の天目山にある寺院で使われていました。日本に伝わったのは鎌倉時代で、中国の天目山にある禅刹へ僧が留学した際、帰国に際して寺で使用していた茶碗を日本に持ち帰ったのが始まりとされています。天目山の茶碗のため「天目茶碗」と呼び、持ち帰った茶碗が黒色をしていたため、それに派生して黒や褐色の釉薬を天目釉と呼びます。

※中国では天目茶碗を「建盞(けんさん)」と呼んでいる。

特徴

天目茶碗の特徴は口が開き、底が締まったすり鉢形で、口縁にスッポン口といわれるくびれがあります。このくびれにより天目茶碗は中の茶の保温性に優れているとされています。低く小さな輪高台(わこうだい)を持ち、逆円錐状をしていますが、安定性に欠けることから、天目台または貴人台と呼ばれる専用の台にのせて使われます。

また、天目茶碗の製作では長石と石灰岩、鉄イオンを原料とする釉薬を使用します。高台を除く全面に厚くかけられており、口には銀などの合金でつくった覆輪をかけている場合もございます。

焼き上げる過程でまれに黒釉が変色したり分離したりすることで、独特の発色が出ることがありました。その模様によって様々な種類に分類され、大小の斑点が星のように浮かびその周りに虹彩を持つ「曜変天目(ようへんてんもく)」、釉面に散る斑文群が水に油の滴が浮いているように見える「油滴天目(ゆてきてんもく)」、黒色または褐色の釉面に縦縞の細い線が稲穂のように浮き出た「禾目天目(のぎめてんもく)」などがあります。

建窯と吉州窯

建窯とは、現在の福建省南平市の建陽というところにかつてあった古窯です。曜変天目茶碗、油滴茶碗、禾目茶碗はこの建窯で焼き上げられました。窯中の自然現象で様々な作品を生み出してきた建窯に対し、黒釉と黄釉を二重掛けして人為的に模様を作り出していたのが、現在の江西省吉安県にあった吉州窯(きっしゅうよう)です。型紙の代わりに木の葉を置いて焼いた「木葉天目(このはてんもく)」、黒釉の上にもう一度不規則に釉薬をかけることで鼈甲のような模様をあしらった「玳玻天目 鼈甲盞(たいひてんもく べっこうさん)」などがあります。

建窯と吉州窯どちらも同じ天目茶碗を製作していたことで知られる名高い窯ですが、それぞれ異なった魅力を持つ茶碗を製作していますので、天目茶碗を楽しむ際にはこの違いにも注目してみてください。

天目茶碗をはじめとした貴重な古美術を楽しむなら陶磁オンライン美術館へ

油滴天目

中国から日本へ天目茶碗が伝わってからは、禅寺などで修行の一環として天目茶碗を使った茶礼が行われるようになりました。闘茶と呼ばれる茶の銘柄をあてる遊興を楽しむ上流階級によって、曜変天目や油滴天目などの珍しい発色を施した天目茶碗が収集されましたが、侘茶の文化が広がるにつれて天目茶碗の需要は減少、生産も次第に減っていきました。

現在では大量の天目茶碗の破片は見つかっているものの、完全な状態で残っている天目茶碗は少ないことから、とても貴重なものとなっています。

そんな天目茶碗を一目見たいという方は、陶磁オンライン美術館をご利用ください。700年代から1500年代の中国・日本を中心とした陶磁器のギャラリーを公開しています。天目茶碗はもちろん、和物茶碗、中国青磁、白磁など、たくさんの美しい古美術品がございます。最上級の毫変盞(曜変天目)もございますので、好みの陶磁器を見つけていただけると幸いです。

【陶磁器】天目茶碗などの貴重な古美術を楽しむなら陶磁オンライン美術館へ

会社名 合同会社TOUJI GRAPHICA
サイト名 陶磁オンライン美術館ーTOUJI GRAPHICA VIRTUAL MUSEUMー
代表 伊山大策
住所 〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3丁目15−22 丸の内USビル602
URL https://touji-gvm.com/

TOP
HOME CONTACT Instagram SHOP