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【古美術・陶磁器】陶器と磁器には様々な違いがある!
陶器と磁器には原材料や焼成温度、質感など様々な違いがあります。古美術として陶磁器を楽しむ際には、こういった違いもきちんと理解したうえでお気に入りを見つけることをおすすめいたします。
皿・壺などの陶磁器を探す前に!陶器と磁器の違いについて
私たちの生活に欠かせない陶磁器。陶磁器というと皿やコップなど、食器として使うイメージがあるかと思いますが、陶磁器の中にはデザインが美しいものや歴史的価値のあるものもあることから、インテリアとして飾ったり、コレクションしたりする方も多くいらっしゃいます。
陶磁器は、陶器と磁器の総称です。これら2つには様々な違いがありますので、お気に入りの陶磁器を見つける前にぜひチェックしてみてください。
原材料
<陶器>
主な原材料は「陶土」と呼ばれる粘土です。これにガラス成分の「珪石(けいせき)」とガラスを溶かす成分の「長石」を混ぜることで、耐久性を持たせひび割れを防ぎます。微量な鉄分や炭化した植物の根・木片など様々な有機物を含むことから、赤やベージュなど有色のものが多いのが特徴です。
<磁器>
主な原材料は陶石(磁石)を粉砕した石粉です。有機物をほとんど含まない白色のものが多く、陶石や石英を主体とする磁器土であればほぼ純白です。
焼成温度
<陶器>
練った陶土で成形したあと乾燥させ、一度700℃~800℃程度の窯で素焼きします。その後、釉薬をかけてから再度約1100℃~1200℃の高温で焼成します。
<磁器>
釉薬をかけたあと、約1300℃~1400℃と陶器よりも高い温度で焼成します。絵付けをしたあとに、さらに低温で焼きます。
質感
<陶器>
陶器は、多孔質でザラザラとした質感が特徴です。叩くと「コン」とやや低く濁った音がし、光は通しません。素地が荒いため吸水性があり、醤油など色のついたものを長時間入れるとシミやニオイの原因となる可能性があります。そのため、使用する前に水に30分~1時間ほど浸けてから使用することをおすすめします。
<磁器>
磁器は、素地が緻密でツルツルとした質感が特徴です。叩くと「キン」と高く澄んだ音がし、薄手のものを光にかざすとうっすらと透け感があります。陶器と異なり、吸水性はありません。
熱伝導率
<陶器>
陶器は多孔質であり、目に見えない細かい孔や隙間がたくさんあります。空気が閉じ込められている証拠であり、これが断熱材の働きをすることで保温性を高めています。
熱いものを入れても熱がゆっくりと伝わり、熱を長く保つという利点から、抹茶碗などでは陶器が使われています。
<磁器>
磁器はガラス質が多く、緻密で内部に空気はほとんどないことから、熱が伝わりやすく冷めやすいという特徴があります。熱いものを入れると手で直接持つことはできないため、取手がついているのが一般的です。
中国での陶器と磁器の分け方
中国は日本とは分類の仕方が違います。中国では磁器は「瓷器」と表記され、陶器と瓷器の二つに分別されます。
釉薬を掛けない無釉の焼き物は焼成温度に関わらず「陶器」になります。
釉薬が掛けた低火度焼成の焼き物は「陶器」になり、釉薬を掛け高火度焼成の焼き物は全て「瓷器」に分類されます。
そのため、中国陶磁は日本の分類からすると陶器にあたるものでも、瓷器となるものも多くございます。
700年代から1500年代の陶磁器を楽しむなら陶磁オンライン美術館へ
陶磁器は陶器と磁器の総称であり、この2つには原材料や焼成温度、質感、熱伝導率など様々な違いがあります。陶磁器の中にはデザインが美しいものや今では製作が難しい貴重なものなど、様々なものがあります。そのため、ぜひ古美術として陶磁器を楽しんでみてください。
陶磁オンライン美術館では、中国、日本を中心とした陶磁器のギャラリーを公開しています。茶碗や瓶、皿、杯、壺、水差しなど700年代から1500年代の古美術品を中心に掲載しており、陶磁器の最大掲載数を目指しています。1つの陶磁器につき様々な角度から撮った写真が10枚以上あり、美術館ではなかなか見ることはできない高台なども公開しています。窯・地域、国・時代から探すこともできますので、ぜひお気に入りの陶磁器を見つけてみてください。
コレクションとして陶磁器を集めているという方へ、オンラインショップもございます。研究用として収集した中国・朝鮮半島を中心とした東洋の古陶磁の中から、よりすぐったものを販売していますので、そちらもぜひ確認してみてください。
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